しかしまだ、これで完成!とはならず。
「せっかくの新素材なのに、今までと同じデザインでいいのか?」という声が上がったのだ。
たしかに、素材の違いだけでは、お客様にはなかなか伝わらない。
見た目にも新しさがなければ…。
内側の曲面をゆるやかにすると装着感がよくなく、きつくすると加工が難しい。
そもそも、曲面の頂点がきちんと真ん中にくるように仕上げるのも大変だ。
しかもこれは結婚指輪。
内側に刻印をするためのスペースを残すため、全部曲面にすることも許されない。
ヨシムラマリ
神奈川県横浜市出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。現在は会社員として働くかたわら、イラスト制作や執筆を手がける。
著書『文房の解剖図鑑』(エクスナレッジ)
《肌に優しくアレルギーを起こしにくい貴金属100%素材だけを使用して、日常生活ではより変形しにくい強度(硬度)の結婚指輪》
このコンセプトを実現するには、とてつもなく困難な命題とジュエリーメーカーに従事する者には常識でした
生涯長い年月を身につける結婚指輪だからこそ、PILOT開発技術陣は、一番硬く唯一無二の結婚指輪を世に出したい!と開発に着手し、純P t プラチナと純金だけを混ぜ合わせた指輪製作に取り掛かりました
しかし硬すぎて割れてしまったり、素材としての延びが悪く加工製作ができないなど、材料としてだけではなく指輪製造のあらゆる場面で難題が次々と壁となり立ちはだかりました
こんないくつもの難題をなんとか試行錯誤しながらクリアしていこうと、高いハードルに立ち向かう姿勢が良くも悪くもPILOT魂です
指輪出来上がり時の白さにこだわり、純P t プラチナ配合を50%、残り50%の純金との『1対1配合』と言う困難な合金化に成功し、3年もの開発期間を経て製造特許を取得しました
この画期的なPILOTブランド最強の結婚指輪シリーズはプラチナ元素記号P t と金の元素記号Auを合わせ『Ptau ピトー 』と名づけられました
指輪内側にはPILOT独自の素材刻印「Pt・G 1000」と現在でも打刻され、指輪品番にはプラチナ・ハーモニー・ゴールドの意味から「PHG」が振り分けられております
PILOTブランドの結婚指輪は、丈夫さと着け心地良さ、更に信頼性高いアフターケアにより、多くのご夫婦に選ばれております
2022年は、事業多角化によりPILOTブランドのジュエリー製作に着手してから満50年の記念すべき年となります