先日、他店でご購入のプラチナ製ブレスレットの金具が壊れたとのご相談がありました
詳しくご説明をお聞きすると、成人祝いに、親御さまから晴れ着を買ってあげると言われたが、どうしてもプラチナ製ブレスレットが欲しく、晴れ着は要らないから、ブレスレットを買って欲しいと願い、以来数十年の間ブレスレットを身につけたまま、外したことがないというご説明でした
ブレスレットや、ネックレスなどは、金具が壊れることが多く、中途半端な修復をしますと、その後の紛失などに結びつくことがあるため、慎重に対処する必要があります
どっしりとした重量のブレスレットですので、毎日の着用の中で差し込み金具の凸金具が折れ、破損しておりました
当店でお納めした品ではなく、ブレスレットの履歴が追えない為、まずはブレスレットの金性検査に取り掛かりました
親御さまがご購入された先が、きちんとした製造をした品を納めていたので、本体は刻印通りにプラチナ900でしたが、凸凹が噛み合う差し込み金具部分だけは、14金WG製という検査結果がでました
(プラチナ素材が、より柔らかいため)
早速にお客様にも検査結果と納期と費用見込みのお見積もりをご報告、同じように凸金具部分をWGにて新規に作り直し修復をし、お客様ブレスレットの受け凹側との噛み合わせを調整いたしました
修復完了後、ブレスレット重量も変わりなく仕上がりました
いまでこそ、成人祝いにジュエリーを贈られる方々が、よくいらっしゃいますが、お客様が成人を迎えられた当時は、わたしも百貨店宝石サロンに出向勤務しておりましたが、そのようなケースはほとんど記憶になく、ましてはご自身から『晴れ着は要らないから、どうしてもブレスレットが欲しい!』とおっしゃったと聞いたことが、今回とても印象に残りました。
ジュエリーの魅力のひとつには、皆さんの色々な思いや人生の足跡が、そのジュエリーに加味されるていくことでしょうか…
これから成人を迎える皆さまも、ジュエリーを記念の品としてとのお考えも、一考の価値ありと宝石屋さんは考えます