暑さ寒さも彼岸まで・・・、今朝通勤途中の道すがら道路の周りにたくさんの落ち葉が舞っており、季節はすっかり秋らしくなってまいりました
しかし本当に昔の人の言葉には言いえて妙のものが多いですね・・・
四季のある国、この日本で生活することで衣・食・住と季節折々の変化を感じ、また楽しむことができることを嬉しく思います
先日読んだ新聞のコラムで、そもそも彼岸とは昼と夜の時間が等しくなり、真東からのぼった太陽が真西に沈むことで、その沈む夕日の彼方に浄土があると観想する日だそうです・・・
まあ世間一般的には、ご年配の方々が中心になってお彼岸にはお墓参りやご先祖様供養をされる方が多いのでしょうが、私が以前修業時代の若かりし頃に数年間居住しておりました東三河地方では、外商活動でお邪魔させていただいていたお宅のほぼすべてのお家でご先祖様供養が日々の生活の中に当たり前のように溶け込み若い世代の方々にも日常的に身近な習慣となっていたように記憶しております
しかし十数年前より地元横浜で生活するようになってからは、私的には不謹慎ながらスーパーをはじめコンビニなど至る所で『ぼた餅』や『おはぎ』（この呼び方の違いもお客様からお教えいただき最近その意味を知ったのですが・・・）が目につきはじめることがお彼岸を感じるこの頃です
（昨日も胡麻おはぎの差し入れを頂戴し、K様有難うございました。いけないと思いつつも美味しく二つもいただいてしまいました！）
さて本日ご紹介させていただくお話は、そんなご先祖様からバトンタッチをしながらの脈々と続く人生について真剣に感じ、またご家族の皆さんの想いを込められて製作をされたジュエリーのお話です
実はこのジュエリー、昨年の夏にすでにお客様のお手もとへ納めさせていただいたものです
初めて当店にお越しになられた女の子を連れられた若いお母様からジュエリーのオーダー製作のご相談を持ち掛けられ、途中いくつかの紆余曲折の流れがあって完成させたもので、最終的にお納めさせていただく際にこのページでのご紹介の許可をいただいていたのですが、申し訳ないことになかなか筆が進まず・・・というか、どのようにご紹介をさせていただければよいのかに悩み、皆様にお伝えする表現がうまく浮かばずに書き述べることができませんでした
もちろん当店が詳しいご事情をお聞きする立場ではないのですが、ご相談に応じながら奥様よりお聞きした内容で今回のジュエリー製作の理由が４人のお子様の父親でもあるご主人様を若くして天に召されてしまったという経緯を伺いました
そのご主人さまの形見の品となる大きなサイズの結婚指輪などをお持ちになられ、常日ごろ身に着けることのできるペンダントにリフォーム製作したいとのご意向でした
当店にお越しの前に別のお店にもご相談されたようなのですが、ご希望される加工内容に特殊な事情もあることによって、そのお店さまからも色々なアドバイスをお聞きになられた結果、当店の存在を知ってわざわざご来店になられました
しかしながらお受けする当店にとっても、今回のご要望には大変シビアな状況が予想され、おふたりを前にしていきさつをお聞きすればするほど通常お承りをお断りしなければならない危険性が予想され、こちらとしては最悪の結果を招く危険性が高いので承ることに逡巡していたところ、奥様から「だからこそ、こちらのお店にお願いしたいんです・・・」と言われてしまい、こちらも逆に腹が据わり敢えて承る決心をいたしました
そこからは業界内の知人や先輩などにも教えや情報をお聞きし、担当する職人と入念に打ち合わせをしながら、慎重に事を運びました
結果的にはご家族の皆さんの望む方向で無事何事もなく完成させることが出来、この製作のあと立て続けに別のご注文も承らせていただきました


今は亡きご主人さま、そして奥様自身のお二人の結婚指輪を重ねたデザインで、ご家族皆さんが力を合わせ楽しく明るくこれからの人生を前進されることを見守っていただくことをコンセプトにひとつめのペンダントが出来上がりました

ご主人様の指輪の内側に元々刻まれていたご夫妻のイニシャルに、今回４名のお子様のイニシャルも続けて加える文字彫りを追加いたしました
 
お納めしてから早一年が経過し、今この記事を書きながら４人のお子様のご成長と、奥様やご主人様のお母様をはじめとするご家族の皆さんが元気でお過ごしの姿を思い描いております
今朝開店の支度中に奥様より再度の掲載許可ご了承のＦＡＸ文面を受信し、お子さま達皆さんも元気にお暮しのご様子にとても嬉しく昨年のご来店時のご様子を思い浮かべました
何かのご縁があって当店をご利用いただいた皆様と、また何か次の機会に再会できることを楽しみにお待ちしながら、平成２５年の秋お彼岸を迎え当店も日々新たなご相談に応じながら毎日毎日を積み重ねて過ごしております・・・