若いお嬢さんがお宅にあったという沢山の真珠をお持ちになって来店されました どの珠も無穴状態でしたので、真珠養殖業者さんとなにかしらのご縁があるはずでは…とご本人様にお話しをして、これらの真珠の由来をお伺いいたしました
もともとの真珠層巻き具合の良し悪しと、さらには一部長年保管していた状態による経年変化の劣化影響が見られる珠も幾つかあり、まずは状態によりグループ分け選別することから始めました
それぞれグループごとに、色目は多少ドロ色を噛んでいてもそこそこテリが残っている珠、薄巻きで一部核が透けてしまっている珠、なんとなく致命傷はないがぼけ気味の珠と…選別をしたのち、一つ一つを真珠専用の汚れ取り布と、テリだし用の布を使って出来るかぎり磨いてみました
お嬢さんから伺ったお話しでは、近々予定しているご自身の挙式にこの真珠を使ってブローチを製作して、挙式披露宴当日にお母様が身につけたいというご要望で、最初に他店に相談しに行ったところ見積もり金額が予想をはるかに超える金額だったので、お母様と相談して決めた予算内でなんとか製作できるところを引き続き探していたという内容でした
無穴珠のメリットで真珠の360度全ての方向から一番テリの良いところを天(一番上)に定めてから片穴あけ加工をし、またサイズや色目がまったくバラバラな珠を少しでも多く使えることと、尚且つ各珠のバラバラ感がおかしくないようなデザインの既成原型のブローチ枠を3種類ほど後日ご予算内でご提案させていただきました
最終的にお選びいただきましたデザインで完成したブローチがこちら…
ご家族の想いが伝わる真珠ブローチ、おそらくいつの日か新婦のお嬢さん自身も母として身につけることがあると想像し私もこのデザインをお勧めしました