ある日お隣のそごうさんをブラブラしていると、店からの電話で「ただいま店頭に店長のお友達の奥様がいらっしゃってます!」との連絡があり、急ぎ足で店に戻ってみると素敵な女性の方がニコニコと当店スタッフと話しをされておりました
お顔を合わせてこちらもニコニコしながら「いらっしゃいませ・・・」とご挨拶をしながら「あれ?どなただろう・・・?」、そうなんです商売を続けているとこのような場面によく遭遇するのです
「失礼ですけど、どちら様でしょうか?」と単刀直入にお聞きすればいいことなのですが、これがなかなかそうはいかない訳でして、ご挨拶しながらすでに頭の中では「え~っと、どなただっけ???」とフル回転状態でした
お客様もそんな様子を感じ取られたのか「 I です、いつも主人がお世話になりまして・・・」と言われ、お名前を聞いてやっと思い当たる方が頭に浮かびました
数年前に親しい知人の方からの紹介で一緒にゴルフをさせていただき顔見知りとなり、私と同い年ということもあって、以来親しくお付き合いをさせていただいている I さんの奥様で、一度だけ奥様とお目にかかってご挨拶をさせていただいたことがあったのです
今日は主人から昔にプレゼントされたジュエリーをなにかリフォームできたらいいな!と思い、相談しに来ましたとのことでした
お持ちになられたのはダイヤモンドがふんだんに散りばめられたゴールドの指輪でした
色々なお話をお伺いし、基本的な方向性としてはご主人様からの思い出のジュエリーをなるべく生かすことで、結果的になおかつ低予算でのリフォームにする考えをお伝えし、指輪の腕部分(輪の部分)を取り外し石座(指輪中心部分)を生かしたペンダントにし、一緒にお持ちになられた品物から使えそうなネックレスを選ばさせていただきました
奥様にそのようなご提案をさせていただいたら、「鍵がいいです!」というご希望でしたので、なるべくシンプルで大人のイメージの鍵にしましょう・・・と即断即決でリフォーム策の内容が決まりました
出来上がり後に使わなかった腕部分のメレダイヤモンドをすべて外してから、18金部分はかかったリフォーム費用の一部として下取り相殺させていただきました
後日ご主人 I さん自身がお独りで来店され、「かみさんがとても喜んでいて、鍵のペンダント気に入って毎日着けてます」とお礼とともに差し入れのお菓子を頂戴してしまいました
お代金をいただいて仕事をさせていただいた上に、お礼の言葉と美味しいおやつまで頂戴してしまった当方は勿論のこと、I さんご夫妻も指輪を贈った当時からの20数年間の思い出がよみがえり、またこれからのご夫妻の歩みにその沢山の軌跡がつまった扉の鍵モチーフのペンダントが寄り添って、ジュエリーをリフォームすることの醍醐味を改めて感じ入りました
こういうお手伝いができるお仕事が楽しくて、幸せです・・・