スカイビル館内には36のショップがあり、一部の店長とはそれこそ家族同様ほぼ毎日のように顔を合わせ、同じ屋根の下で共に働いています。
特に親しい店長がいる飲食店のクローズタイムなどには、時たま息抜きを兼ねてちょっと顔をだしたりすると、美味しそうな賄いメニューや新メニューの試食、また一杯のビールなどのご相伴に預かることがあり、そんな些細な時間が来館されるお客様への館内一丸となってのおもてなしに結びつくコミュニケーション作りになっていると信じております。
実はそんな閉店後の一時が,わたくし共YAMATOにも存在します。
商売柄さすがに閉店後に店内での飲食や飲酒をする訳ではありませんが、防犯上シャッターを閉めたあとの店内にて、実は独り密かに日中の営業中では出来ない特別な作業をする別の世界があります。
今回もわたくしが大手ダイヤモンド輸入商社に勤務していた時代からすでに20年来の友人でもあり、また現在はビジネスパートナーでもあるY氏が海外から大量の南洋真珠を買い付け輸入をしたというホットなニュースを耳にして、すぐに無理を言っていち早くその輸入されたばかりの現物を見せて貰いました。
宝石や真珠は言うなればわたくしの地元の海岸で繰り広げられる投網漁の如く、収穫された色々品々を選別し的確に評価することが一番の要の作業となり、その評価作業によってお客様に満足していただける販売価格を想定して、品物と価格がうまく釣りあった時に売約となり、最終的にコストを上回る利益を頂戴できる仕組みがやっと完成いたします。
当然評価には主観が入りますので、その時の相場や市場動向、そして何よりも必要性(例えば真珠でしたら形が崩れ通常では使いにくいと評価を下げるバロック珠でも、その形が何かの動物モチーフに見えるような形なら、その様な珠を必死に探している方の評価は逆に上がります)などで、それらの品々ひとつずつを吟味していきます。
当然今回の作業もパートナーが大まかに評価して区分けしたロットを慎重に一粒ずつ見直し、簡単に言ってしまえば彼があまり評価をしないロットから、いかにこちら側が好む高評価のものを選別できるかにかかってきます。
当夜も在館が許される時間ギリギリまで何度も見直して、数十粒の南洋真珠を選別しました。
今回の荷で一番魅力だったのはケシ珠と呼ばれる自然界の異物が貝の中に侵入したことによって生まれる自然形の真珠でした。
(皆様がご存知のバロック真珠は、養殖の過程で人間の手により核入れをされた後に何かの理由で丸くない形になってしまった真珠です)
これらの真珠はこれから更にペアになるものを選んだり、一番美しい面を見極めて穴を開けたりし、今年のクリスマスギフト提案品として11月中旬ぐらいにはジュエリーとして完成品になり御披露目の予定です。
そんな中ただいま当店側面のショーウィンドウ(YCAT第2ロビー側)には、産出限界値に近い17ミリ直径サイズ前後の南洋白蝶真珠とタヒチ産南洋黒蝶真珠、また濃金色の南洋ゴールデン真珠と鮮やかなピーコックグリーンのタヒチ産南洋黒蝶真珠を陳列しましたので、是非覗いて見て下さい…。