昨日電車の中で暇つぶしに見ていた週刊誌に椎名誠さんの『暑さの品格』という題名のコラム記事が掲載されており、
今年の日本の暑さが世界各地へ探検旅行に行かれた氏の経験から比べても、いかに凄い暑さだったかという文章を楽しく読みました
そんな暑さもやっと落ち着きはじめ、自宅の周りでも日中の蝉の声と、日が暮れてからの虫の音が入り混じる季節変わりの時季となってまいりました
独身時代に出向していた東三河の地方百貨店外商部のお客様宅でガラス入りの襖から障子紙の襖への交換を手伝ったり、
ダイヤモンド卸し部門配属の営業マン時代には、担当先の京都老舗有名宝石店のスタッフから夏の鱧(はも)料理から秋の鶉(うずら)料理に切り替わる
京文化の奥深さを講義していただいたりと、四季のある日本固有の文化の素晴らしさを特にこの時季の移り変わりの際に感じております
そんな中で久方振りに日中お客様宅へ出向く用事が発生し、横須賀線に飛び乗り北鎌倉まで行って参りました
▲下りホーム側の臨時改札口には、初めて見る入場・出場用それぞれのSuicaタッチパネルがありました
小一時間で商用を済ませたのち帰店のため駅へと急ぐ道すがら、ふと目に入った光景に誘われて本当に数年ぶりに
臨済宗大本山圓覚寺さんへちょっぴり寄り道をしてサボって参りました
▲駅へ向かう鎌倉街道沿いの歩道から誘われた圓覚寺さん入り口風景。
踏切手前では年配の女性が一心不乱にスケッチをされておりました…
先日見た新聞記事によると元々お寺さんの敷地内だったにも関わらず、戦時中に軍の重要施設横須賀へ出入りするために電車の線路がこんなにも大胆に境内を横断したそうです…
横須賀線の踏切を渡り、圓覚寺総門より拝観料三百円を支払って中に入りました
▲圓覚寺さん入り口総門(左写真)と(右写真)奥に見えるのが三門(山門でなく三門と書かれておりました)〕
思い起こせば今から13年前に、スカイビル店が平成8年にリニューアルオープンして以来文字通り1日の休みも取らず〔取れず…?)働き詰めの毎日をおくるなかで、同じ立場の他店の跡取り息子達と誰が最初に休むかを意地になって競い合い、流石に身体が持たないと一年振りぐらいに初めてとった終日休みの日に私は無心に緑多いところに行きたいと感じ、地図を広げて自宅近くで一番緑部分が広範囲だった圓覚寺さんに訪れました
(いま思えば当時はまだインターネットが生活の中に入ってなかったと思います)
その日は昼過ぎまでぐっすりと眠り、その後ゆっくりと圓覚寺さんに向かい、山内右手中腹にある茶店にて数時間ぼんやりして過ごした記憶があります
今回は茶店に行く時間的余裕も、何よりもスーツ姿で茶店までの山登りもちょっとためらいがあり、三門仏殿の左手に向かい奥へ進んでみました
緩い坂道を登っていくと結構に奥深くまで山内が続き、鎌倉に居住すること数十年にも関わらず初めて圓覚寺さんの開基である北条時宗公の廟があることを知りました
▲開基廟の手前には南北朝期の延命地蔵菩薩座像が祀られる佛日庵があり、鎌倉二十四地蔵霊場巡礼の十四番にあたるらしく、その名の通り延命地蔵尊だからなのか外国人のご夫婦やご年配の方々が次から次へとお詣りされておりました…
たった一時間弱の寄り道でしたが、なにか身体の中を清々しい風が通り抜けた、夏から秋への季節変わりの昼下がりの鎌倉探訪の旅でした・・・